中国の民間企業、人体の動作を忠実に再現するAI技術を開発

武漢灝存科技で人型ロボットの学習効果を検証するソフトウエア関連の責任者、付竜さん。(3月13日撮影、武漢=新華社記者/杜子璇)

 【新華社武漢3月30日】中国湖北省武漢市の民間企業、武漢灝存科技は人工知能(AI)ウェアラブルハンドジェスチャー認識と全身モーションキャプチャー技術の研究・製品開発を専門とする。同社が独自に開発したウェアラブルデバイスは、人体の動作を高精度なデータに変換し、ローカル環境の大規模モデル学習技術を利用して、ロボットに人間のような柔軟性と学習能力を与えることができる。

 センサー装置を身に着けたソフトウエア関連の責任者、付竜(ふ・りゅう)さんが体を動かすと、画面上のアバター(分身)が連動して同じ動きを再現した。モーションキャプチャー装置を装着すると、「運動神経中枢」を搭載したロボットアームがまるで人間の手のように物を持ち上げたりつかんだりした。装着者の指先の微細な震えさえも正確に捉えることができる。これらは同社の中核技術「ウェアラブル肢体動作認識・モーションキャプチャーシステム」によって実現されている。

武漢灝存科技でロボット動作学習プラットフォームを確認する付竜さん。(3月13日撮影、武漢=新華社記者/杜子璇)

 付さんによると、チームはバイオミメティクス(生物模倣)と人間工学モデリングを用いて、関節角度や筋肉群の連動などの複雑な動作をコンピューターが認識できるアルゴリズムに分解し、さらに大規模モデルの学習によって動作ライブラリーを生成した。運動神経中枢システムを搭載したロボットは、膨大な動作データの蓄積を経ることで人間の動作が再現できるほか、アルゴリズムの改善によって、より難易度が高く、より安定した運動コマンドも生成可能だという。

 同社の創始者である熊鵬航(ゆう・ほうこう)氏は「ハードウエアデバイスを使って人間の運動データを取得することで、人型ロボットの学習効率が大幅に向上し、トレーニングコストが削減される」と語った。(記者/杜子璇)

24日、武漢灝存科技が開発した人型ロボット運動神経中枢システムインターフェース。(武漢=新華社記者/杜子璇)
24日、武漢灝存科技で人型ロボット運動神経中枢システムを調整する付竜さん。(武漢=新華社記者/杜子璇)
24日、武漢灝存科技で人型ロボット運動神経中枢システムを調整する開発者。(武漢=新華社記者/杜子璇)
24日、武漢灝存科技でウェアラブルセンサー機器をテストする付竜さん。(武漢=新華社記者/杜子璇)
24日、武漢灝存科技で同僚と仮想現実(VR)ゴーグルを装着し、自社で開発したゲームを体験する付竜さん(左)。(武漢=新華社記者/杜子璇)
24日、武漢灝存科技で、人型ロボット運動神経中枢システムを調整する開発者。(武漢=新華社記者/杜子璇)
武漢灝存科技で人型ロボット運動神経中枢システムを調整する付竜さん。(3月13日撮影、武漢=新華社記者/杜子璇)
24日、武漢灝存科技でウェアラブルセンサー機器をテストする付竜さん。(武漢=新華社記者/杜子璇)

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