
【新華社景徳鎮1月13日】中国で「千年の磁器の都」と呼ばれ豊かな陶磁文化の蓄積を有する江西省景徳鎮市は現在、陶磁器の魅力に引かれて各地から訪れる観光客でにぎわっている。外国人に対するトランジットビザ免除措置による滞在時間を240時間(10日間)とする政策がこのほど始まったことにより、世界の観光客が景徳鎮を知る新たな機会が提供され、陶磁器を巡る旅のために同市を訪れやすくなっている。
景徳鎮の陶陽里歴史文化街区では、多くの無形文化遺産継承者が優れた磁器製作技術を披露し、観光客は古く趣のある工房で、陶土の流し込みや素地作り、焼成、うわぐすりがけなど伝統的な製磁工程を体験することができる。

陶溪川文化クリエーティブ街区は、国営の宇宙陶磁工場の跡地を中心に建設され、22棟の古い工場は1棟も取り壊すことなく、窯炉や煙突、給水塔などの古い建造物も全て残している。このため、街区には歴史の文脈が息づいており、観光客は中を巡りながら景徳鎮の陶磁器産業の歴史的痕跡をはっきりと感じられる。

御窯廠国家考古遺址公園は、昌江の東岸、珠山の南北の間に位置する。公園内にある竜珠閣の芝生の前に置かれた青花(染め付け)の透かし彫り作品は、景徳鎮で最も人気のある撮影スポットの一つとなっている。磁器の制作シーンが描かれた3枚の青花の磁器プレートにはそれぞれ隙間があり、一定の角度から重ねて見ると完全な透かし彫りの効果をもたらし、その隙間から遠方の竜珠閣を撮影すると、磁器の中に楼閣があるようなアート感のある写真を撮ることができる。

その隣にある御窯博物館は、赤れんが色のアーチ型の壁が独特の形状をしている。これは、景徳鎮の伝統的な卵型の窯にインスパイアされたデザインで、地上部分は八つの巧みに配置された双曲面のアーチ構造で構成されている。館内には、御窯廠遺跡から出土した貴重な遺物800点余りが収蔵され、景徳鎮陶磁の悠久の歴史を記録している。

景德鎮市浮梁県の東部に位置する瑶里古鎮は景徳鎮陶磁の発祥の地として知られ、古くは「窯里」と呼ばれていた。現在、瑶河沿いには多くの磁器生産拠点に加え、保存状態の良い商用の船着き場や町並み、村落があり、昔ながらの街並みを残す古鎮に身を置けば、いにしえから現在まで続く同地の製磁業の繁栄と栄光を実感することができる。

今日の景徳鎮は、伝承と革新によって新たな活力を放ち、世界中から観光客を受け入れており、世界が中国の発展を体験し、中国文化に触れるための新たな窓口となっている。(記者/朱雨諾)