
【新華社天津4月5日】中国天津市の浜海新区にある浜海文化センターでこのほど、ハイレベル人材向けの就職説明会が開かれた。求人企業約200社が計3500余りのポストを提供、学生ら約5千人が参加し、1500人以上が内定を得た。オンラインで同時に行われたマッチングでは、約1200社が1万2千以上のポストを用意し、約1万1千人の内定が決まった。
説明会に参加した求人企業の天津津亜電子は、中国と日本の共同出資で設立された、天津経済開発区に拠点を置く電子製品の生産・組み立て企業。同社の人事担当者は、浜海新区による人材誘致の取り組みについて、大学と企業による連携の橋渡しやオーダーメードの専門的な人材募集サービスなど多様な方法を通じ、企業と人材との効率的なマッチングを支援しているとの考えを示した。
中国民航大学4年生の劉君邦(りゅう・くんほう)さんは、人工知能(AI)による面接シミュレーションに挑戦した。航空機整備のポストについて「技術的な難題を解決した経験について述べてください」という質問に劉さんが答えると、「論理性90点、マッチング度90点」とのリポートが生成された。話すスピードをやや上げて毎分140~260字にすることや、まず自分の意見を述べてから理由を説明して面接官の注意を引きつけることなど具体的なアドバイスも示された。

AI面接システムを開発した求人サイト大手「智聯招聘」の人材資源エキスパートである薛歓(せつ・かん)さんによると、同システムは大量のデータに基づき、個別化された改善案を提供することができる。同日は20を超える職種の面接シミュレーションを用意した。学生たちはAI面接官と「手合わせ」するだけでなく、浜海新区の就職情報を問い合わせることもできるという。
同新区はここ数年、ドローンやAIなどの重点分野に焦点を当て、「未来産業システム」の構築を加速、多くの企業や研究機関を誘致している。今回の説明会でも関連企業が特に注目を集めた。

産業用AIソリューションを手がける菲特(天津)検測技術が受け取った履歴書の数は前年同期比で40%近く増えたという。同社の人事担当マネジャーを務める王克美(おう・こくび)さんは、スマート製造の加速に伴い、産業用の視覚アルゴリズムやAIのエンジニア、自動化システムアーキテクトなどの職種が求職者の間で人気を呼んでいると語る。「自動化システムアーキテクトは、高度設備の研究開発や精密検査技術の応用に関わるため、マシンビジョンやAIのバックグラウンドを持つ複合人材から多くの応募があった」
同市にある南開大学の生化学・分子生物学博士課程に在籍する馬娟(ば・けん)さんは「説明会に来て、自分の専門分野が天津国際生物医薬連合研究院や中国科学院天津工業生物技術研究所などの募集職種と親和性が高いことがわかった。履歴書を3通出したところ、すでに1社から2次面接の通知が来た」と手応えを感じている。また「相談窓口の担当者が関連書類を提出すればすぐに(浜海新区への)居住許可を申請できると教えてくれ、その日のうちにオンラインの一次審査をパスした。この効率の良さが、浜海新区に住みたいと思う理由になっている」とも語った。(記者/楊文)