
【新華社上海3月14日】海外旅行先での貴重品の紛失は困るもの。中国旅行の人気で日本人観光客が増えている上海市でこのほど、旅行初日の日本人女性が携帯電話を紛失。地元の警察官が手を尽くして見つけ出し、帰国前に取り戻すことができた。
上海地下鉄2号線の陸家嘴(りくかし)駅で2日午後8時50分ごろ、日本人観光客が、パトロールをしていた警察官2人に助けを求め、「駅を出てから携帯電話の紛失に気づいた。地下鉄で盗難に遭ったかもしれない」と訴えた。
同駅派出所の尉哲逸(い・てついつ)警官が調べると、この観光客が複数の駅を利用していたことが分かったが、防犯カメラには携帯電話が落下したり、不審な人物が近づいたりといった場面は映っていなかった。
思わぬトラブルに途方に暮れる観光客を何とか助けたいと思った尉警官らは、防犯カメラの映像を諦めずにもう一度チェック。陸家嘴駅で乗車に手間取る様子から、携帯電話が線路に落ちた可能性に思い至った。4日の終電後に駅関係者が探し、ついに発見した。

5日午後、携帯電話を帰国直前に無事取り戻すことができた観光客は、警察官を思わずハグ。ハートの形に折った手紙を贈って感謝を伝えた。手紙には「携帯電話を見つけてくださり本当にありがとうございます。おかげで人生初の上海旅行が最高の思い出になりました」と記されていた。(記者/蘭天鳴)