独シーメンス幹部「中国市場はより多くの発展の機会もたらす」

欧州最大級の家電見本市「国際コンシューマ・エレクトロニクス展」に出展したハイセンスのブース。(2024年9月6日撮影、ベルリン=新華社記者/杜哲宇)

 【新華社北京3月13日】ドイツ機械大手シーメンスのグローバル・エグゼクティブ・バイスプレジデントで中国法人の董事長、総裁兼最高経営責任者(CEO)の肖松(しょう・しょう)氏はこのほど、新華社の取材に応じ、「次の『中国』もやはり中国で、しかも『違った』中国だと確信している。すべてがそろい、成熟したサプライチェーンシステムや多元化した人材の層などからなる質の高い発展の『ファンダメンタルズ』もあれば、人工知能(AI)やロボット、新エネルギーなどの新技術が生み出した『新たな分野』もある。中国市場は多国籍企業により多くの発展の機会をもたらすと信じている」と述べた。

 多国籍企業は過去数十年にわたり、中国で輸入から現地化生産、さらに「中国版」主要製品の開発を経験しており、急速に成長する「1.0時代」の開拓に関わってきたと指摘した。今は成長の「2.0時代」を迎え、多国籍企業は中国の顧客を中心に据え、中国の需要を拠り所として、新しい姿に変化する必要があるとの認識を示した。

 肖氏は「シーメンスは中国イノベーション型製品事業部を設立しており、今月は中国市場ニーズを踏まえ、より柔軟で高効率、安定的かつコストパフォーマンスの高い製品シリーズの発売を予定している。中国企業がシーメンスの技術のグローバルな生態系により経済的にアクセスできるようにし、『中国スマート製造』のグローバルバリューチェーンへの融合が進むよう促し、互いに力を与え、互恵ウィンウィンの関係を実現する」と述べた。

 中国がハイレベルな対外開放の推進を続けていることについては、25年2月に発表された「2025年の外資安定に向けた行動計画」にも対外開放拡大のための重要な措置が盛り込まれていると評価。例えば、電気通信などの分野の開放試行拠点の拡大は外資系企業に中国進出の機会を提供し、より多くの協力と市場機会をもたらすとの見解を示した。 

 肖氏は「シーメンスのオープンデジタルビジネスプラットフォームはまさにこの政策から利益を受けている。今年はデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する『シーメンスエクセラレーター』の産業生態系西部センター(四川省成都市)、長江デルタイノベーション・エンパワーメントセンター(江蘇省南京市)が稼働を開始する予定で、工業企業のモデル転換・高度化を有力なデジタル化、スマート化技術で支えていく」と説明した。

 シーメンスは今後、産業用メタバースやデジタルツイン、AI、エッジコンピューティング、産業用第5世代移動通信システム(5G)などの最先端技術を積極的に共有、導入し、中国の新型工業化のプロセスに参加するとの方針を示した。

 「企業や事業者などの市場主体は一つの巨大市場の中で十分な競争、協力、互恵ウィンウィン関係を実現することが可能であり、中国市場はより大きな潜在力を発揮すると信じている」と強調した。

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