屋上太陽光発電が拡大 中国貴州省

屋上太陽光発電が拡大 中国貴州省

貴州省望謨県の民家や学校の屋上に設置された太陽光パネル。(10月29日撮影、望謨=新華社配信)

 【新華社貴陽12月11日】中国貴州省黔西南(けんせいなん)プイ族ミャオ族自治州望謨県平繞村では最近、村民の李登波(り・とうは)さんが自宅の屋根に設置した太陽光発電パネルが、近隣住民の間で話題になっている。

 屋根を利用した分散型太陽光発電のメリットを知った李さんは、自宅の屋根800平方メートルを新エネルギー会社に貸し出した。李さんは「持ち出しなしで、四半期に一度、約千元の賃料収入が得られる」と語り、自宅で使っている電気の一部はすでに太陽光発電によるクリーン電力だと紹介した。

 太陽光発電プロジェクトの責任者、付代琦(ふ・だいき)さんは、李さんの家の屋根に太陽光パネルを設置するために、100万元(1元=約21円)近くを投資したと紹介。発電した電力は送電会社に販売できるので、ある程度投資をしてでも積極的に屋根を借りたいという。付さんは「日照が良ければ、約3平方メートルのパネルで1日に約3キロワット時の電力を送電できる」と語った。

 同県では、第三者企業が太陽光パネルの設置に投資して、住民が賃料を得るというモデルが徐々に広がっている。

屋上太陽光発電が拡大 中国貴州省

貴州省播州区の駐車場に設置予定の分散型太陽光発電。(10月24日撮影、望謨=新華社配信)

 貴州省盤州市羊場郷納木村では2016年から、自家発電した電気を自家消費し、さらに余った電気を電力会社に販売するというモデルを採用している。屋上分散型太陽光発電が次々と建設され、300世帯以上の村民が自宅に「グリーン(環境配慮型)発電所」を持つようになった。

 屋上分散型太陽光発電により、村民はクリーンエネルギーが利用できるだけでなく、電気代も大幅に節約している。中国送電大手、南方電網傘下の貴州電網の盤州供電局羊場供電所の高遠竜(こう・えんりゅう)副所長は、23年に納木村が屋上太陽光発電で系統接続した2万8160キロワット時を基に計算すると、村全体で約7千元の電気代節約につながったと話した。

 21年には貴州省望謨県、盤州市、関嶺県など13の県(市、区)が、国家能源(エネルギー)局が発表した全県(市、区)屋上分散型太陽光発電の開発試験都市リストに登録された。現在、省内の試験都市以外の県でも、屋上太陽光発電が相次ぎ始まっている。(記者/施銭貴)

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