テスラの大型蓄電池「メガパック」工場、生産を開始 上海市

 8日、テスラの上海メガパック工場。(ドローンから、上海=新華社記者/方喆)

 【新華社上海2月12日】米電気自動車(EV)大手テスラが中国上海自由貿易試験区臨港新片区(エリア)に建設していた大型蓄電システム「メガパック」の工場が11日、正式に生産を開始した。同社が米国以外に設立した初めてのメガパック工場として、生産した商用バッテリーを世界へ輸出、世界のグリーン(環境配慮型)な未来を後押しする。

 中国商務部研究院学位委員会の白明(はく・めい)委員は「同工場の生産開始は、米国など外国企業の中国経済の先行きに対する期待を示している。市場が広く、産業が整い、ビジネス環境が優れている中国は、引き続き世界の企業に人気の高い投資先になる」との見解を示した。

 テスラは2019年1月、EV生産工場「上海ギガファクトリー」の建設を開始、工場着工から完成、生産開始、納車までをその年のうちに実現する「テスラスピード」を見せつけた。メガパック工場も効率の高さを維持し、昨年5月の着工から正式な生産開始まで約8カ月しかかからなかった。同社エネルギー・充電担当副社長のマイケル・スナイダー氏は、中国のビジネス環境とインフラ整備能力を高く評価し、「上海メガパック工場は再び上海速度、テスラスピードを目の当たりにした」と語った。

 11日、上海メガパック工場の稼動式。(上海=新華社記者/方喆)

 メガパック工場は当初、商用バッテリーを年間1万台生産し、電力貯蔵容量は40ギガワット時近くになる予定。同社は、生産量が25年第1四半期(1~3月)から増加し始め、同年のバッテリー搭載量が前年比で少なくとも50%伸びると見込んでいる。

 2024年、同社の中国におけるEV販売台数は過去最高の65万台超となった。同年の中国の新エネルギー車(NEV)販売台数は前年比35.5%増の1286万6千万台だった。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は先ごろ、対中投資・協力を深化させ、米中経済・貿易往来の促進に積極的な役割を果たしたいと表明した。

 中国で24年に新設された外資企業は9.9%増の5万9080社だった。専門家は、中国の巨大な市場は大きな「重力場」となっており、世界により多くの成長のチャンスを提供し、外資企業の投資を引き付けているとの見方を示した。

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