中国・内モンゴル自治区、対外開放の拠点に新たな活力湧く

 内モンゴル自治区満洲里駅で出発を待つ「中欧班列」。(2024年8月20日、ドローンから、満洲里=新華社配信/黄旭)

 【新華社フフホト1月24日】中国北部にある内モンゴル自治区は20カ所もの対外開放口岸(通関地)を有するという強みを生かし、国内外が連動し、各方面から資源が集まる新しい開放の構図を形成しつつある。

 2024年の同自治区の貿易額は2千億元(1元=約21円)を初めて超え、強靭(きょうじん)な発展の勢いを見せた。陸路口岸経由の貨物量は前年比14.5%増の1億2千万トン以上となり、引き続き陸路口岸で全国トップに立った。旅客数は53.0%増の延べ511万人に上った。

 中国・欧州間の国際定期貨物列車「中欧班列」の運行路線は126路線を数える。国内の22省・自治区・直轄市64都市をカバーし、終着駅は10カ国22都市に広がり、累計運行本数は6万本に迫った。

 同自治区はここ数年、口岸のインフラ整備とグレードアップに力を入れている。満洲里鉄道口岸ではスマート化改造により、通関効率の質の飛躍的な向上を実現した。満洲里口岸管理弁公室の張世朴(ちょう・せぼく)主任は「これまでは貨物列車1編成の情報収集を完了させるのに20分かかっていたが、今では1分以内に処理することができる」と明かす。

 「中欧班列」復路便の積み替え作業を行う満洲里駅の貨物輸送作業場。(8月6日、ドローンから、満洲里=新華社配信/黄旭)

 満洲里と二連浩特(エレンホト)の鉄道口岸には357本の広軌線路が敷設されており、長さは260キロに及ぶ。荷役作業場25カ所の年間処理能力は5700万トン、道路口岸12カ所の年間通関能力は旅客が2千万人、貨物が1億5千万トンとなっている。

 同自治区では口岸と産業パーク、後背地が連動する新しい発展の構図の形成が進んでいる。近代的な工業団地である甘其毛都(ガンツモッド)口岸加工パークには、モンゴルから輸入した石炭の加工・転化の全プロセスを網羅する産業クラスターが形作られつつある。パーク内にある中国石炭大手、神華集団傘下の巴彦淖爾(バヤンノール)コークス工場は、口岸経由で輸入されたモンゴル産石炭を年間100万トン近く用いてコークスやメタノールなど付加価値の高い製品へと加工しており、1千人近くの雇用を創出し、年間生産額は2億6千万元に上る。

 甘其毛都口岸はモンゴル産石炭用取引プラットフォームも立ち上げ、モンゴル産石炭の価格指数を定期的に発表し、企業が貿易に伴うリスクを回避できるよう支援している。加工パークでは石炭物流倉庫や青果輸出加工、辺民互市貿易(国境付近の住民間の自由市場での取引)、クリーンエネルギーなどの分野に重点を置き、企業・投資誘致にも力を入れている。

 同自治区はまた、25年にレベルの高い開放をさらに拡大し、貿易の規模を大きくし、口岸の機能を高めると同時に、口岸と後背地との連動、加工産業を強化する考えも明らかにしている。

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