中国のレンタカー市場、女性の利用者が大幅に増加

 神州租車のカウンターで手続きをする観光客。(1月28日撮影、海口=新華社記者/陳子薇)

 【新華社北京3月20日】中国レンタカー最大手の神州租車はこのほど、女性のレンタカー消費データを発表した。女性ユーザーの安全性や品質、体験に対するニーズを受けて、レンタカー業界は単なる「機能的な移動手段」から「ライフスタイルサービス」へと転換しつつある。女性の申込件数とユーザー登録数はこの3年でそれぞれ93%、32%増加した。特に「一線都市」と呼ばれる北京、上海、広州、深圳の4都市では女性ユーザーによるレンタカーの利用頻度が明らかに高く、レンタカーを年7回以上利用したユーザーのうち、女性の割合は20%近くとなった。成都(四川省)や杭州(浙江省)、武漢(湖北省)、重慶などの「新一線都市」でも女性ユーザー数は20%増と大きく伸び、消費潜在力の喚起が加速している。

 具体的な利用場面をみると、女性のレンタカー需要には短期間が中心で、中長期間の伸びが大きいという多層的な特徴がみられた。女性ユーザーの申し込みのうち、日数が1~3日の短期間が全体の4分の3以上を占め、利用時期は多くが週末または休日に集中している。子ども連れや女性グループでの利用など需要の頻度が多く、利用のハードルが低いという特徴がみられた。1990年代半ばから2009年頃に生まれた「Z世代」の若い女性ユーザーも増加している。彼女らは新疆ウイグル自治区や西蔵自治区、甘粛省、海南省など長距離旅行を好み、旅行先で写真を撮り、SNSにシェアしたいというニーズを満たすだけでなく、自分で車を運転して「精神的な遠征」を果たすという願いも叶えている。このほか、女性ユーザーの柔軟性の高い移動方式に対する人気と地域をまたぐ移動に対するニーズも明らかに高まっている。

 車種の選択の面では、女性ユーザーは高品質でスマートな移動体験をより重視しており、スマートクルーズコントロールシステムや映像による運転支援、助手席用ディスプレーなど快適性を高める機能を備えた車種を好み、テクノロジーと快適性を兼ね備えた車種が人気となっている。女性ユーザーの新エネルギー車(NEV)のスポーツタイプ多目的車(SUV)や高級セダンなどミドルレンジ・ハイエンド車種に対するニーズは過去3年で大幅に増え、申込件数も4.7倍近くになった。特に新エネ車の受容度は急速に高まり、新エネ車の申込件数は年平均117%の伸びを維持し、新エネ車市場の成長をけん引する重要な力となっている。

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