
【新華社トゥールーズ3月31日】欧州航空機大手エアバスは3月24~25日、フランス・トゥールーズの本社で「エアバスサミット2025」を開催し、航空業の持続可能な発展に焦点を当て、持続可能な航空燃料(SAF)の応用と脱炭素の道のりについて重点的に話し合った。同社の幹部らは、中国がSAF分野の発展でいくつかの優位性があると指摘。中国と緊密に連携し、航空業ないし世界のグリーン(環境配慮型)で革新的、かつ持続可能な発展を促進したいとの意向を示した。
ギヨム・フォーリ最高経営責任者(CEO)によると、エアバスは脱炭素の道のりを促進するため、SAFの生産と応用に取り組んでおり、中国の関連する発展計画の方向性と一致している。中国は複数の空港でSAFの実証実験を始め、国内の主要航空会社も関わっている。フォーリ氏は「中国はSAF関連計画に意欲的で、私たちも高く評価している」と述べた。
また、エアバスはSAF普及の初期段階にあり、中国の産業チェーンの強みを活用し、道のりを加速する必要があると説明。「中国の政府、空港、航空会社などの重要な部門と協力している」と述べ、中国のエネルギー企業とSAF開発をめぐりパートナーシップを結んでいるとした。
その上で、中国のSAF分野の発展には、豊かな原材料供給、優れた計画統括力、明確なグリーン政策、高度な低炭素エネルギー技術など、いくつかの優位性があると指摘。「これらの要素は、航空分野のSAFの応用を加速させるとともに、私たちの顧客にも利益をもたらしている」と語った。

チーフ・サステナビリティ・オフィサー(CSO)を務めるジュリー・キッチャー氏は「中国は再生可能エネルギーの発展速度が非常に速く、SAFの世界的なプレーヤーになる可能性が高い」と評価。豊かなバイオ燃料原料に加え、グリーン水素と大気中の二酸化炭素(CO2)を原料とした合成燃料の技術などでも先駆者になる可能性があるとの見通しを示した。
キッチャー氏は「私たちは航空業の脱炭素において、中国を長期的な協力パートナーと見ている」と発言。中国航空市場の堅調な成長を考慮すると、エアバスはこの成長に合わせ、脱炭素、排出削減のテンポを速める必要があるとした。同社が24年、世界の施設や飛行テストで使った航空燃料のうち、SAFは18%を占めた。また、中国天津市のアジア最終組立工場でテスト、納機された航空機でも積極的にSAFを使用したという。
ザビーネ・クラウケ最高技術責任者(CTO)は「中国の技術進化のスピードと幅広さは私を大いに興奮させる。中国の科学技術は『爆発的な発展』を遂げている」と話す。エアバスは中国の科学研究エコシステムを活用し、具体的な事業と応用を通じて、持続可能な発展は好調に進展している。
エアバスが中国に進出してから、今年で40年を迎える。エアバス(北京)エンジニアリングセンターの設立20周年でもある。同社は現在、蘇州にある中国研究開発センターを通じて、水素エネルギー、水素エネルギー関連インフラ、コックピットシステムなどにおいて、中国との技術協力を重点的に推進している。