中国の新エネ大型トラック、24年販売は前年比2.4倍

 山西省晋中市楡次区にある山西新能源汽車工業のメタノール大型トラック生産ライン。(2024年4月1日撮影、太原=新華社記者/楊晨光)

 【新華社上海2月10日】中国の新エネルギー大型トラック業界は2024年に急成長し、販売台数が激増した。年間販売は前年比2.4倍の8万2千台に上り、12月は1万5200台で月間最高を更新した。25年1月は閑散期でも低迷せず、24カ月連続で大幅に増加した。

 新エネ大型トラックは現在、充電式車種が主流となり、航続距離300キロ以下が多数を占め、主に鉱山、製鉄所、港湾、都市間物流などに使用されている。航続距離のより長い車種が発売、普及するにつれて、業界は今後、飛躍的に発展する見通し。

 建設機械大手、三一集団の向文波(こう・ぶんは)董事長は、交通運輸業界が二酸化炭素(CO2)排出の多い業種であると指摘。中国は乗用車の低炭素化と排出削減、電動化で世界をリードし、商用車の低炭素化も同様に重視していると述べた。統計によると、商用車が保有台数全体に占める割合は12%にとどまる一方、CO2排出量は55.4%に上っている。

 商用車情報サイト「第一商用車網」によると、24年9~12月は新エネ大型トラック史上、販売台数が最も多い4カ月で、1日当たりの販売は1万300台に達した。3~8月の繁忙期も合わせて、新エネ大型トラック業界は最初の「最盛期」を迎えている。

 同集団の羅暢国(ら・ちょうこく)高級副総経理は、新エネ大型トラック販売が激増した要因として、次の3点を挙げた。①乗用車の電動化が先行し、顧客意識の育成と産業チェーンの充実に役立った。②新エネ大型トラック自体が高い運営収益を示した。1キロ当たり1元(1元=約21円)の輸送コストはエンジントラックの1キロ当たり3元を大幅に下回り、圧倒的な優位性を確立した。③車載電池の大規模生産とコスト低減が新エネ大型トラックの価格を押し下げた。

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