
【新華社成都3月10日】中国四川省の成都市自然保護地・野生動植物保護センターは6日、中国科学院成都生物研究所と共同で新種の爬虫(はちゅう)類「成都滑蜥(Scincella chengduensis)」に関する研究成果を国際学術誌「アニマルズ」に発表したと明らかにした。この種が中国で記録されたのは今回が初めて。
滑蜥属種(Scincella barbouri)は比較的小型の隠れた場所で生活するトカゲで、アジアや北米、中米に広く分布し、世界で43種、中国で14種が確認されている。新種の「成都滑蜥」は成都市が管轄する崇州(すうしゅう)市と大邑(だいゆう)県で発見された。
研究者によると、「成都滑蜥」は体形が細長く、背中は灰褐色で2~3本の不規則な縦じま模様がある。腹部に多くの黒い斑点が見られる点が、他の近縁種と最も大きく異なる特徴だという。
成都市は域内の標高差が5千メートル以上あり、地形が複雑で生態系が整っていることから豊かな生物多様性が育まれている。同センターはここ数年、同市に生息する両生類や爬虫類の多様性について明らかにし、個体群の動的変化を把握するため、中国科学院成都生物研究所と連携し、継続的に調査・モニタリングを実施してきた。これまでに、同市には両生類・爬虫類75種が自然分布していることが確認されており、これは人口1千万人以上の超大都市の中で最多となっている。(記者/董小紅、趙怡寧)