あんこで歴史に思い馳せ…地元で出土の土器にも残る「縄文小豆」 白岡市が栽培 イベントで調理、提供

縄文小豆を使ったあんこを楽しむ親子連れ

 埼玉県白岡市の生涯学習センターこもれびの森で18日、縄文時代の小豆を味わおうと、ヤブツルアズキを煮込んだあんこを来館者が試食し、縄文人の生活を体験した。

 ヤブツルアズキは、縄文時代の食材として活用され「縄文小豆」と呼ばれる。マメ科の一年草で、夏に黄色い花を咲かせ、秋に収穫する。市内から発掘された土器にも圧痕として残るなど、ヤブツルアズキが縄文時代に使用されていたこと分かっているという。

 市学び支援課は、独自にヤブツルアズキを栽培。イベントなどで提供したところ、好評を得た。ヤブツルアズキに興味を持ち、自宅で栽培する家族もいるという。

 この日は、収穫した小豆を使い、市民が資料に触れ学芸員が解説するイベント「ハンズオン・デー」で提供した。春分の日のお彼岸にちなんで、あんこを調理。ヤブツルアズキを煮込んで、甘味を加え、約80食を用意し、来館者に提供した。学芸員がヤブツルアズキの豆を見せ、縄文の歴史を説明。親子連れが縄文小豆を味わいながら、古代の歴史に思いをはせた。

 市は「縄文を体験してもらう良い機会。縄文小豆を味わうなかで、地域の歴史や資料の展示につなげていきたい」としている。

© 株式会社埼玉新聞社