夫婦に異変 電話する夫「今着きました」 多忙なベテラン郵便局員、直感で妻の手続きストップ…詐欺阻止

感謝状を受けた鈴木慎吾さん(中央)と門井幸夫署長(右)、金岡弘樹副署長=13日、武南署

 埼玉県警武南署は13日、特殊詐欺被害を未然に防いだとして、川口北原台郵便局(根本佳正局長)と、同局課長代理の鈴木進悟さん(37)に感謝状を贈った。

 同署などによると、2月28日午後2時45分ごろ、80代の高齢男性が携帯電話で通話しながら来店した。鈴木さんが「どうしましたか」と声をかけると、男性は「12カ月分の請求があると言われ30万円を振り込みに来た」と話した。一緒に訪れた妻が振り込み手続きの書類を書き始めたがストップしてもらい、鈴木さんはホットラインで武南署に通報。駆け付けた署員に引き継ぎ、詐欺被害を未然に防いだ。

 門井幸夫署長から感謝状を受けた鈴木さんは「お客さまの大切な財産を守ることができてよかった」と笑顔で話した。

 鈴木さんは「お客さんは携帯電話で『今、郵便局に着きました』と話し、身内が相手ではないし普通ではないと分かった。お話を聞いて架空請求の詐欺だと確信した」と振り返る。郵便局に入って17年目のベテラン。「北原台郵便局は局長を入れて5人。住宅街の中にあり、結構毎日忙しい」と話していた。

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