忘れた…保育士ら、労災保険など申請するも市役所担当が失念 時効迎え多額の請求不可に ほかにも未処理が

さいたま市役所=さいたま市浦和区常盤

 埼玉県さいたま市は8日、市立保育園の保育士ら4人の労災保険などの申請について、市保育課職員が事務処理を失念して行わず、請求権の消滅時効2年が成立し、休業給付費計127万8434円の請求が不可能になったと発表した。市は4人に説明して謝罪し、給付相当額を賠償するとともに、職員に重大な過失があったとして、国家賠償法に基づき賠償額を請求する方針。

 同課によると、40~70代の保育士3人と用務員1人が2020年度に労災保険と健康保険の休業給付を申請した。金額は85万4298~1万2704円。担当の30代男性職員が失念して事務処理を行わず、昨年11月1日までに時効が成立した。担当職員が今年1月11日、未処理の申請書を職場で見つけて発覚した。

 担当職員は1人で、時効の4件以外に20年度3件、21年度5件の未処理が判明し、時効成立前に処理した。発覚前に課の体制を見直し、22年度からは2人体制となり、順次処理されていたという。

 市幼児未来部の江幡暢弘部長は「市民の皆さまに深くおわびし、再発防止を徹底してまいります。誠に申し訳ありません」と述べた。

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