思わず欲しくなる…「ネギばんばん」で応援、交流 バスケB2・越谷 コロナ禍にもマッチ 7日に「新作」

試合後に行われる選手との「ネギタッチ」を楽しむファン=9月23日、越谷市立総合体育館

 プロバスケットボール2部(B2)リーグの越谷アルファーズは1日、ホームの埼玉県越谷市立総合体育館で開幕戦を迎えた。昨シーズン終盤の今年1月に地元の特産「越谷ネギ」を模した応援グッズ「ネギばんばん」を発売し、対戦チームのファンも購入するほどの人気に。今季もネギばんばんで、B1昇格を後押しする。

■紫色のテープも

 チームは2018年に実業団からプロ化し、越谷市を本拠地とした。19年にB2に昇格したが、地元での知名度不足が課題だった。そこで「越谷、埼玉をバスケの力で盛り上げよう」と上原和人副社長が考案したのがネギばんばん。ネギを印刷した2本セットの応援スティックには紫色のビニールテープが巻かれ、スーパーに並ぶネギそっくり。交流サイト(SNS)で紹介すると、ユニークな形がファンの心をつかみ、約半年で1200個以上を売り上げた。

 定価は税込み1200円だが、会場の販売スタッフに“値切(ネギ)り交渉”をすると千円で購入できる。定価で購入した場合、差額の200円はコロナ禍で苦しむ農家や地域のために使われる。

■ネギタッチで交流

 何よりの醍醐味(だいごみ)は「ネギタッチ」イベント。入場時や試合後、選手やチアリーダーと観客がネギばんばんを使ってハイタッチすることができる。コロナ禍で声援が出せない中、ファンとの交流を創出した。

 専属チアリーダー「アルファヴィーナス」元メンバーのAYAKAさんは、コロナ禍について「初めて来た人にも楽しんでもらおうと手拍子で盛り上げようと工夫したが、独特の難しさがあった」と振り返る。しかしネギばんばんが販売されたことで、一気に応援が盛り上がるようになった。シーズンの累計入場者数も昨季から1.5倍に増えた。

■新作も発売

 9月23日、B1の横浜ビーコルセアーズ(BC)をホームに迎えたプレシーズンマッチは、昨季の平均観客数を上回る1882人が来場した。ネギタッチができるコートサイド席のほぼ全ての観客がネギばんばんを手に応援し、3点シュートが決まるとチームカラーのえんじ色の観客席が緑色のスティックで揺れた。

 試合は66―83で敗れたものの、第2クオーターは16対15で横浜BCの得点を上回るなど格上相手に奮闘した。

 県内在住の女子高校生(17)はネギタッチの後、「駒沢颯選手が好きなので感動した」と涙ぐんでいた。さまざまなBリーグの試合を観るという会社員の平野孝亮さん(24)は「数多くあるチームの中で、地域ならではの特色を出していて面白い。Bリーグファンの中でも越谷といえばネギばんばん」と話す。

 7日には新作、白髪ネギ風のポンポンが付いた「ネギぽんぽん」も発売する。上原副社長は「ネギばんばんの応援が始まり、明らかに会場の雰囲気が変わった。今後も地域に根差してチャレンジし続けたい」と意気込んでいる。

応援グッズ「ネギばんばん」。スーパーなどで貼られている紫色のビニールテープまで再現されている

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