埼玉で「手足口病」流行警報…特効薬なく 飛沫、接触、経口感染が経路 まれに髄膜炎など重症化も

手足口病流行で県が警報 乳幼児中心、まれに重症化

 埼玉県は、乳幼児を中心に夏に流行する病気「手足口病」の患者が増えているとして、流行警報を発令した。有効な特効薬や予防接種はなく、手洗いの徹底などの予防対策を呼びかけている。

 県感染症対策課によると、県内の163の小児医療機関では7月25日からの1週間で大人11人を含む952人の患者が確認された。1医療機関当たりでは6.06人で、県の警報の基準値5人を上回った。

 同様に警報が出た2019年の報告数は、最も多い時で基準値の5倍の約25人。同課の担当者は「近年、コロナ対策で手洗いが徹底され報告数が少なかったとみられる。乳幼児は自分で対策するのが難しいので、周りの大人が気を付けて」と呼びかけた。県は乳幼児が集まる保育園や幼稚園に対しても注意喚起する。

 手足口病はくしゃみなどによる飛沫(ひまつ)感染やウイルスが付いた手で粘膜に触れる接触感染、排せつされたウイルスが口に入る経口感染が経路となる。口や手足に発疹出て、ほとんどの場合は数日で軽快するが、まれに髄膜炎などの合併症を伴うことがあるという。

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