いざ決戦、選挙モード突入 長崎県議会が閉会 引退議員「思い出たくさん」

最終本会議を終え、議場を後にする議員=県議会棟

 長崎県議選告示(31日)を控え、現職にとって今期最後の定例県議会(定数46)が17日、閉会した。出馬予定の議員が「今日から全力」と選挙モードに切り替え各選挙区に散らばる一方、今期で引退する議員は「思い出はたくさん」と感慨深げに議場を後にした。
 激戦が予想される長崎市区の議員は「時間がなくてまだまだ(支援者を)回れていない」と、この日も午後から5カ所ほどあいさつ回り。別の議員は、場所と時間をびっしり書き込んだメモを手に「全てつじ立ちの予定。当選ラインを1票でも上回ればいい」と寸暇を惜しんで票集めに奔走する構えを見せる。
 「26日間の会期中、ずっとこっち(本土)。長かった」とこぼすのは離島の議員。「必ず(当選して県議会に)戻って島民のために頑張りたい」と意気込み、午後発の船で地元へ。無投票の観測から一転、選挙戦の見通しとなった島原市区の議員は「(定数)2に入れるように気張るだけ」と力を込めた。
 西彼杵郡区の議員は「会期中は議会に集中。今日から全力」としつつ、「いまだに『選挙いつだっけ』という人もいる」と盛り上がり不足を懸念。会派室にあいさつに来た県幹部職員と「また(当選して)戻ってこられるかどうか…」と話す議員もいた。

 一方、今期限りで5人が議員バッジを外す。18年9カ月の県議生活に別れを告げる中島廣義議長(自民、東彼杵郡区)は、閉会後の会見で「一番苦労をかけた家内に孝行したい。なかなかできなかったゴルフも」と笑顔を見せた。八江利春議員(同、諫早市区)は、歴代3番目に長い31年10カ月の間に議長を2度経験。九州新幹線長崎ルートや農地基盤整備などで「成果が表れ、踏ん切りがついた。最高の議員生活だった」。
 前議長の坂本智徳議員(同、対馬市区)は20年間で「(党県連の)幹事長も会派長も経験し思い出はたくさんある。しばらくはゆっくりしたい」。西川克己議員(同、平戸市区)は議場に向かって深々と一礼。13年5カ月を振り返り「感無量」とし、「県政発展に向けて切磋琢磨(せっさたくま)を」と後輩議員へ注文した。
 麻生隆議員(公明、長崎市区)は「産業振興に力を入れてきて、まだやり残したことはある。今後も培った知見や人脈を生かし、県政の発展に貢献したい」と話した。

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