長崎市が施設の「愛称」募集 企業や団体対象 命名の対価は金銭、役務で

 長崎市は、市有施設に愛称を付ける民間事業者を募っている。命名者から「金銭」や清掃業務などの「役務」といった対価を受け、施設の維持管理やサービス向上に充てる目的。市民会館(魚の町)やあぐりの丘(四杖町)など、年間25万人前後が利用する大規模施設も含まれる。
 公共施設の命名権(ネーミングライツ)売却は、新たな財源確保などを目的に県内でも導入され、県立総合運動公園陸上競技場(愛称・トランスコスモススタジアム長崎)の例がある。同市は2013年に総合運動公園(柿泊町)の愛称を試験的に募集したが応募はなく、本格実施は今回が初めて。
 今回は「施設特定型」と「提案募集型」の2種類がある。特定型の対象は、利用者が特に多い▽市民会館▽あぐりの丘▽総合運動公園▽桜町駐車場▽松山町駐車場▽北公民館▽東公民館▽恐竜博物館▽科学館▽市民総合プール-の10施設に限定。命名の対価は金銭のみだが、事業者側が提示する金額の上限・下限は設けない。
 一方で提案型は、事業者が対象施設を自由に選び、愛称を提案することができる(特定型10施設や学校、平和施設などを除く)。金銭以外に、物品や役務を対価として提供することも可能。市は具体例として、公衆トイレや歩道橋などに命名した事業者が、清掃や修繕を担当するケースなどを想定している。
 いずれも、法人格を持つ市内外の企業や団体が対象で、契約期間は3~5年。特定型の応募は12月23日まで。提案型は年4回(3、6、9、12月)の締め切りを設けて随時募る。市ホームページから申込書などをダウンロードし、市資産経営室(電095.829.1412)に郵送または持参する。市内部の審査会で選考。早ければ来春にも、新たな愛称が付いた施設が誕生する。


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