実習船「進洋丸」が進水 県立宮崎海洋高へ 佐世保・前畑造船が初建造

ゆっくりと海に進んだ実習船「進洋丸」=佐世保市、前畑造船

 長崎県佐世保市干尽町の前畑造船(北村與志郎(よしろう)社長)で26日、実習船(約699トン)の命名・進水式があった。「進洋丸」と名付けられ、関係者が航行の安全を祈願した。同社が実習船を建造したのは初めて。来年3月24日に引き渡す。
 全長67.3メートル、幅10.2メートル。宮崎県が県立宮崎海洋高の実習船として発注した。生徒や教官が乗船し、太平洋のハワイ諸島周辺などを航海。マグロのはえ縄漁実習などで使用する。約2カ月間、乗船するため、浴室や食堂も完備。排ガスに含まれる大気汚染物質を低減する装置も備えた。
 式で、同校の生徒らが支綱を切ると、船はゆっくりと海に進んだ。同校海洋科学科3年の小林蓮さん(17)は「迫力のある姿だった。下級生は大切に乗って、多くのことを学んでほしい」と期待を込めた。北村社長は「今回の経験を生かして、今後も多くの実習船建造を目指したい」と話した。
 同社は、沖縄県の漁業調査船や、ケミカルタンカーの引き渡しも予定している。


© 株式会社長崎新聞社