バレーボール男子U18日本代表 土井優太(大村工高)「全国で輝けるエースに」

「チームを勝たせられるエースになりたい」と飛躍を誓う土井=大村市、大村工高体育館

 8月中旬にイラン・テヘランで行われたバレーボールの第14回アジアU18男子選手権。大村工高の土井優太はOPで全試合スタメン出場して日本の3連覇に貢献した。初めて日の丸を背負って国際舞台に立った2年生は「ここから全国で輝けるエースになれるように、また一から頑張る」と飛躍を誓っている。
 身長184センチ、体重76キロ。大村工高では点取り屋のOHだが「代表では自分は小さい方で、守備で期待されていた」。ただ、韓国との準決勝までは「緊張で思うようなプレーができなかった」。コーチとして帯同した大村工高の朝長孝介監督も「途中までは自信なくして帰るんじゃないのかとハラハラした」と心配するほどだった。
 転機はサーブ力がある地元イランとの決勝前。代表の指揮を執る崇徳高の本多洋監督から「自分が主役だと思ってやることが大事」と言われて発奮した。結果は「ほぼ完璧だった」(朝長監督)。サーブレシーブで相手の焦りやミスを引き出してストレート勝ち。「思い切りやれた。仕事を成し遂げられた」。自らも納得のプレーができた。
 三城小2年から競技を始め、大村中2年時にJOCジュニアオリンピックカップ全国都道府県対抗大会の県選抜入り。3年で主将を務めた。大村工高でも早い段階からメンバーに抜てきされた。
 だが、1年目の昨季は県高総体で11連覇を逃し、全日本高校選手権(春高)も県大会決勝で敗戦。今季は県高総体でV奪回したが、インターハイは決勝トーナメント1回戦で敗れた。「気持ちで引いた。自分は全然活躍できていない」。今回の代表入りは何かを変えるきっかけにしなければいけなかった。

アジアU18男子選手権で3連覇に貢献した土井(左)とコーチとして帯同した朝長監督

 帰国後、その変化を朝長監督も感じている。「それまで僕に話しかけてくることはほとんどなかったけど“代表で聞いたトレーニングをもう一回教えてくれませんか”と言ってきたりしている。すごく大きな経験だったと思う」
 今後は10月7~10日の栃木国体、11月の春高県大会、そして迎える来季の高校ラストイヤーへ、再び長崎、大村工高のエースとしての活躍が求められる。「大事な1本を決められる選手になる。負けていても“自分に持ってこい”と呼んでチームを勝たせることができる選手になる」。心身両面で成長してきた17歳の言葉には、強い覚悟がにじんでいる。


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