“プラスワンのスキル”学んで 特支元教諭らデイサービス開設 敷地内の畑でショウガ栽培 長崎・大村

スタッフのサポートを受け、ショウガに水やりをする利用者(右)=大村市、UPるおおむら

 「子どもたちにプラスワンのスキルを」。長崎県内の特別支援学校に勤めていた元教諭、元校長らが、大村市宮小路3丁目に就労準備型放課後等デイサービス「UPるおおむら」(定員10人)を開設した。敷地内の畑でのショウガ栽培などを通じ、子どもたちの社会的自立に向けた支援をしている。
 子どもたちの放課後や長期休暇の時間を有効に使ってもらおうと、株式会社「GSサポート」を設立し7月に開設した。知的、発達障害がある市内外の小学生から高校生まで6人が利用し、特別支援学校に勤務経験がある5人がスタッフとして支える。掃除や洗濯、調理など生活全般の技能をはじめ、コミュニケーション能力の向上に取り組んでいる。個別学習もしている。
 施設には約400平方メートルの畑を併設。佐世保市でショウガやニンニクを栽培、販売するアースカンパニー(山下博社長)の協力を受け、無農薬でショウガを育てている。
 子どもたちは職業体験の一環で、水やりや除草作業、石拾いなどを担当。利用者の1人は「水やりする時にホースが引っかからないようにするのが難しいけど、少しずつ慣れてきた。収穫が楽しみ」と話した。
 ショウガは11月にも収穫できる見込みで、同社を通じて販売する。売り上げは子どもたちの学習支援に充てるという。特別支援学校に教諭として務めていた同施設管理者の吉村明さん(54)は「簡単な作業でも『できた』『分かった』という成功体験がキャリアアップにつながる。学校と家庭のつなぎ役として、子どもたちが学んだことを定着、発展させ進路実現を支援する場にしたい」と話す。
 利用に関する問い合わせは「UPるおおむら」(電0957.47.7800)。


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