島原半島ジオパーク 3度目のユネスコ再認定審査始まる

雲仙・普賢岳噴火災害など説明を受けるシャフィーア氏(左から3人目)とメガ氏(同2人目)=島原市、雲仙岳災害記念館

 島原半島ジオパークのユネスコ世界ジオパーク再認定審査が26日、長崎県の島原半島で始まった。29日まで4日間、世界ジオパークネットワーク(GGN)から派遣された専門家が、半島内のジオサイトなど18カ所を巡り、景観や運営状況などをチェックする。
 再認定審査は国連教育科学文化機関(ユネスコ)の正式事業で4年ごとに実施。新型コロナ禍の影響で1年延期されていた。
 島原半島ジオパーク協議会によると、世界ジオパークは現在、46カ国177カ所が認定され、国内には9地域ある。島原半島は2009年の初認定以降、今回が3度目の審査となる。
 審査員として、古生物学や地層学などが専門のマレーシア国民大名誉教授、モハマド・シャフィーア・ビン・レーマン氏(65)と、インドネシア国立パジャジャラン大地質工学部長のメガ・ファティマ・ロサナ氏(55)の2人が訪れた。
 初日は、雲仙岳災害記念館(島原市平成町)や、雲仙・普賢岳噴火災害の大火砕流で消防団員らが亡くなった「定点」(同市北上木場町)などを同協議会専門員らの案内で視察。定点周辺を訪れ、砂防施設の説明などを受けたシャフィーア氏は「この地域は山の恵みを受けているだけでなく、災害で住民が命を落としている。未来のために教訓を生かしていくことが重要だと思った」と話した。
 27日は南島原市の原城跡や龍石海岸、28日は雲仙市の雲仙地獄などを視察。最終日の29日は、最終会議などが予定されている。


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