斜面地の暮らし再生へ「させぼ山手研究会」発足 24日ワークショップ

車社会の進展などもあり、空き地や空き家が増える地域=佐世保市白南風町

 斜面地を生かしたまちづくりを研究する市民グループ「させぼ山手研究会」が発足した。目指すのは時代とともに増える空き地や空き家の有効活用。JR佐世保駅近くの長崎県佐世保市白南風町を再生モデル地域として、にぎわいの拠点づくりを進める。
 研究会の檜槇貢理事長(73)らによると、かつて白南風町は住宅地として人々が集った地域。4月1日現在で453世帯877人が暮らしているが、世帯数は約15年で67世帯、人口は130人減った。無人の家も多い。車が横付けできない狭い道に面した家も珍しくなく、車社会の進展も一因に、斜面地に不便さを感じる若年層を中心に斜面地離れが加速している。
 研究会の活動の旗印は「斜面地暮らしの再生」。檜槇理事長と田中満雄副理事長(71)、松尾俊(たかし)さん(74)を中心に、空き家や空き地をどう活用すれば地域の人たちの役に立ち、地域のにぎわいにつながるか考えていく。第1弾は拠点地とする民家と、隣接する空き地を含めた計約600坪の利用法。24日にワークショップを開き、地域住民らと意見交換しながら住み続けたい地域づくりを考えていく。
 地域コミュニティーの再生も大きなテーマだ。檜槇理事長は「斜面地の生活は大変さがあるかもしれないが、お世話したりされたり支え合うことでコミュニティーができる。本当の豊かさとは何か考えていきたい」と話している。

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