行動制限なしの盆帰省 長崎県内交通機関 利用増も、コロナ前ほど回復せず

博多発の特急かもめから降り、改札を出る利用客=11日、長崎市尾上町、JR長崎駅

 新型コロナウイルス流行「第7波」真っただ中で帰省客らを迎えた今年の盆。行動制限がなかったこともあって長崎県内各交通機関の利用は昨年よりも増えたが、コロナ前の水準までには回復しなかった。

 【鉄道】
 JR九州が18日発表した10~17日の利用状況によると、長崎支社管内の在来線特急は、長崎線(肥前山口-諫早)が5万900人で前年同期の3.3倍に、佐世保線(肥前山口-佐世保)は3万1600人で4.3倍になった。ただ、新型コロナ前の2018年比では、長崎線は53.2%、佐世保線は49.2%にとどまった。長崎線の上下合わせた最高乗車率は14日午後9時博多発長崎行きの123%だった。

 【道路】
 西日本高速道路(NEXCO西日本)九州支社によると、10~16日の長崎自動車道長崎芒塚-長崎の平均利用台数は1万3800台。前年より62%増えたが、19年と比べると9%少なかった。県内の高速道路で5キロ以上の渋滞は発生しなかった。
 日本自動車連盟(JAF)長崎支部は11~15日、県内で438件のロードサービス要請を受け付けた。うち430件(昨年比81件減)を一般道が占めた。

 【船】
 九州商船(長崎市)によると、10~17日、長崎と離島を結ぶジェットフォイルやフェリーの利用実績は、おおむね前年同期と比べ約8割増。19年と比べると6割ほどに回復した。

 【飛行機】
 全日空(ANA)によると、6~16日の搭乗率は長崎-羽田が74.3%で前年の187.4%に達したが、19年と比べれば67.4%にとどまった。長崎-伊丹は60.2%で前年の116.1%、19年の89.7%。
 日本航空(JAL)は、同じ期間の長崎-羽田が74.6%で前年比24.9ポイント増、長崎-伊丹が62.2%で14.5ポイント増だった。総旅客数は両線合わせて2万5973人。19年比で長崎-羽田が90.6%、長崎-伊丹が82.1%だった。

 【宿泊】
 九州経済調査協会(福岡市)によると、10~17日の本県宿泊施設の稼働状況を示す指数は70.6だった。前年の20.8、19年の63.7を上回り、コロナ前の水準まで回復している。


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