四国総体・柔道 女子個人63キロ級 山里(長崎明誠)銅メダル

【柔道女子個人63キロ級準決勝】山里(長崎明誠、右)が果敢に攻める=松山市、愛媛県武道館

 全国高校総合体育大会(インターハイ=躍動の青い力 四国総体2022)は10日、各地で柔道とアーチェリーの2競技が行われ、長崎県勢は柔道女子個人63キロ級で山里椿華(長崎明誠)が3位に入り、優勝した3月の全国選抜大会に続いてメダルを獲得した。
 柔道女子個人の長崎明誠勢はこのほか、70キロ級の髙野しいなが3回戦まで進出。78キロ級の山木あかり、78キロ超級の池田実琴は2回戦で敗れた。
 11日は1競技を実施。愛媛県今治市でボートが始まる。

◎春夏2冠ならず 「気持ちの甘さあった」

 春夏連覇の夢は準決勝でついえた。春の全国柔道選手権女子63キロ級王者の山里(長崎明誠)は、春の2回戦で一本勝ちしていた相手から、指導2を取られて惜敗。「前に勝ったからという気持ちの甘さがあったと思う」。2年生のホープにとっては、悔しさだけが残る銅メダルになった。
 準々決勝までの3試合は実力通りの強さを見せた。最大の武器である寝技を生かしてオール一本勝ち。小森監督が「しっかり相手の襟を両手でつかめていた」と振り返ったように、春からの課題だった組み手の攻防で相手を上回った。持ち味を消されても勝負できるように磨いてきた技を、思う存分発揮した。
 だが、準決勝は展開が一変した。「組ませてもらえなかった」(小森監督)。攻撃の糸口をつかめず、消極的に見られて2度の指導。最後まで前には出続けたが、うまくかわされて技を仕掛けられなかった。
 春の日本一を機に、自らが置かれた立場は大きく変わった。中学時代までは全国的に無名だった選手が、気づけば大学生ばかりの全日本ジュニア強化選手に選ばれていた。7月の合宿では世界を見据える先輩たちとの目線の違いを実感。そんな経験を積んできただけに、今回の敗戦は納得いかなかった。
 約2週間後、休む間もなく世界カデ選手権(サラエボ)に臨む。「しっかりメンタルも強化して、もっと強くなりたい」。負けを正面から受け止め、エースはまた、はい上がっていく。


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