「平和考える基になれば」 長崎県被爆者手帳友愛会 県郷土資料センターに43年の記録を寄贈 議案書など60点公開へ

田川課長(左)に議案書や写真などの説明をする(右から)濵田さん、野口さん、木永さん=長崎市、県立長崎図書館郷土資料センター

 今春解散した被爆者団体「県被爆者手帳友愛会」の資料が26日、県立長崎図書館郷土資料センター(長崎市立山1丁目)に寄贈された。約43年にわたる活動を記録した大会議案書や写真アルバムなど約60点で、同センターが一般公開する予定。元役員は「後の人が平和について考える基になれば」と願う。
 友愛会は1979年、別の団体「県被爆者手帳友の会」の一部が分かれ結成。国が定めた被爆地域の是正や、地域外で原爆に遭い被爆者と認められない被爆体験者の救済に力を入れた。近年は会員の高齢化や減少で活動が困難となり、今年3月末に解散した。
 寄贈資料は創設当初の結成大会宣言、結成翌年から解散まで毎年発行した定期大会や総会の議案書(第2~44回)、国会議員に陳情した際の写真など。同市内の旧事務所に保管されていた。元役員は保存の意向があり、市民団体「長崎原爆の戦後史をのこす会」の木永勝也・長崎総合科学大准教授(65)らが資料整理などに協力した。
 同センターを訪れた濵田眞治元副会長(84)は「40数年の歴史がここに残る」、野口晃元事務局長(81)は「多くの人に活用してほしい」と語った。資料一式を受け取った郷土課の田川正明課長は「大変大事な資料。きちんと保管して利用者の求めに応じて活用したい」と述べた。時期は未定だが資料検索システムに掲載し、館内での閲覧が可能になる見込み。


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