五島の大地や営みを写真に 医師の久保さんが出版

「五島の大地」を自費出版した久保さん=五島市、久保循環器内科

 長崎県五島市の医師、久保進さん(68)が、日本ジオパークに認定された下五島エリアで見られる貴重な地層や自然、人々の暮らしを撮影した写真集「五島の大地~2000万年を歩いてみよう~」を自費出版した。
 久保さんは大村市出身。2004年、五島市吉久木町に久保循環器内科を開業した後、趣味で写真を始めた。
 これまでに五島の自然や教会、祭りなどをテーマに「フォト歳時記」を出版しており「五島の大地」はシリーズ6作目。福江島や奈留島、久賀島などを巡り、貴重な地形や地質が見られるジオサイト(見どころ)を中心に、387点を収めている。
 大瀬崎灯台では、大陸から流れ出た砂や泥が堆積してできた五島層群が観察できる断崖をドローンを使って海側から撮影した。数年に1度ある鬼岳の野焼きは、撮影時間をずらした複数の写真を合成し、山頂から山肌まで炎で真っ赤に染まる様子が、噴火をイメージさせる1枚に仕上げた。
 海岸に咲くハマジンチョウなどの植物や、海沿いの地形を利用してサツマイモを干す「かんころ棚」など人々の営みも収録。穀倉地帯の山内盆地では黄金色の稲穂と緑の山々を捉え、昨年11月の部分月食は島影を重ねながら収めた。
 久保さんは「大地の成り立ちだけでなく、暮らしてきた人たちや歴史に思いをはせるような作品になればうれしい」と話している。
 B5判、308ページ。3千円。福江港ターミナルや同内科などで販売している。問い合わせは同内科(電0959.75.0881)


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