銘菓「治安孝行」パッケージ一新 五島・はたなか 完全個包装で食感長持ち

機械化して包装をリニューアルした治安孝行

 長崎県五島市の観光ビルはたなか(畑中重徳社長)は、同社が製造販売している銘菓「治安孝行(ちゃんここ)」のパッケージを約60年ぶりにリニューアルした。水あめで練った粒あんを餅で包み、きな粉をまぶした菓子を手作業で行っていたが、リニューアルに伴い、包装作業を機械化。もちもちとした食感と風味が長持ちする完全個包装を実現した。
 治安孝行は1961年の発売以降、土産や贈答品として人気。近年、従業員の確保が難しく、食感の長持ちを求める声があり、包装作業用の機械を導入した。従業員が透明なトレーに治安孝行を入れ、ベルトコンベヤーで流しながら、専用フィルムで一つずつ包装する仕組み。今月4日から稼働し、最大で1日1万2千個を包装できる。新しいパッケージは、きな粉の風味を保ち、餅が固くなるのを防ぐため、賞味期限が1週間から2週間に延びた。

手作業時代、一つずつ包装する前田さん=五島市、観光ビルはたなか

 長年、手作業を担ってきた専門従業員は多い時で6人ほど。お盆の繁忙期は1人1日2千個以上を包んだ。きな粉をまぶした餅を片手で形を整えながら、もう一方の手に紙を取り、器用に包み込む熟練の技だ。22年間携わった前田明美さん(68)は「焦ると力が入ってしまうので、まず慣れて、見栄えの良さを心掛けてきた。友人が観光客に勧めてくれてやりがいになった」と感慨深く語った。
 畑中社長は「包装のデザインが一新したとともに、食感も長持ちした。お土産でも分けやすくなり、末永く味わってほしい」と話した。


© 株式会社長崎新聞社