松浦市議選 終盤情勢 コロナ禍の選挙戦 候補者戸惑い 混戦模様 他地区の票が鍵

現職、元職、新人の21人が16の議席を争う松浦市議選のポスター掲示板=同市志佐町

 23日に告示された松浦市議選は、30日の投開票に向け終盤戦に入った。人口減少で定数は前回より1減の16に対し、21人(現職12、元職1、新人8)が立候補する混戦。新型コロナウイルスの感染急拡大で、個人演説会を自粛する候補者も多く、選挙カーから支持を呼び掛ける戦術を中心に票の掘り起こしを図っている。

 「わが陣営から感染者を出さない」。各候補者から異口同音に聞こえてくる言葉だ。ある候補は「感染者を出したらイメージダウンは必至。検温、消毒は言うまでもなく、選挙カーにもアルコール消毒液を積んでいる。選挙カーも2時間置きに休憩を取り、長時間密にならないよう注意している」という。
 別の候補は「個人演説会など人を集めることは全部取りやめた。演説会などで手渡すチラシも新聞の折り込みに切り替えた。選挙カーで回っても、家から出てきてくれる人は少ない。支持者なら出入り自由の選挙事務所も名簿に記入してもらったり、来訪をお断りしたりしている」と、これまでとは様変わりした選挙戦に戸惑いを隠せない。
 また、地盤が重なる候補が多く、他地区からどれだけ票を掘り起こすかが勝敗の鍵となる。それぞれ地盤を固める一方で、市内の大票田である志佐地区を連日多くの選挙カーが回り、支持を訴えている。
 新人に40代、50代の候補者が多いのも今回の特徴。現職を脅かしそうな有力な新人も多く、ある女性有権者は「そろそろ新旧交代のいいタイミングでは」と話す。
 松浦市は人口減少に歯止めがかからず、2020年の国勢調査では2万1271人と、15年調査より約2200人減少した。有権者数も前回(18年)から約1100人減っている。市長選が無投票になったこともあり、投票率も過去最低だった前回(67.84%)並みか、下回るとの見方も。当選ラインは600票が目安になりそうだ。有権者数は1万8401人(男8846、女9555)=1月22日現在、市選管調べ=。


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