平和リレーソング完成 長崎県内外の高校生 手話と英語交え核禁条約解説

動画制作の中心となった(左から)大澤さん、羽山さん、川端さん。画面内は核兵器禁止条約について手話と英語字幕付きで紹介している場面=長崎市役所

 核兵器禁止条約の発効から22日で1年となるのに合わせ、平和活動に取り組む長崎県内外の高校生が、平和を願う歌「青い空は」をリレー形式で歌いつなぐ動画を完成させた。本県メンバーを中心に、18都道府県の計74人が出演。同条約について手話や英語を交えて解説する映像も作り、ユーチューブを通じて全世界に核兵器廃絶への願いを届ける。

 制作したのは、核廃絶署名を国連に届けている「高校生平和大使」と、「高校生1万人署名活動実行委員会」のメンバー。撮影や編集などの裏方も合わせると約100人が携わった。
 新型コロナ禍で昨年から署名集めなどの街頭活動が制限されており、昨年は同条約の説明や平和への思いを記したスケッチブックを掲げた映像をつなぎ、動画を作成。今回も、昨年12月中旬からメンバー同士で話し合いを重ね、より多くの人に親しみを持ってもらおうと、歌う様子を動画でつなぐ形にした。
 動画は6分余り。前半は同条約が禁じる核兵器の開発や製造、実験などの7項目について、本県メンバーが1項目ずつ説明。長崎市の平和公園で撮影し、多様な立場の人に内容を知ってもらおうと、手話や英訳を付けた。手話は第24代大使で県立ろう学校1年の塚根みづなさん(16)が担当。最後に全員で「1カ国でも多くの批准を求めます」と呼び掛けている。
 後半は「青い空は」のリレーソングで、本県は爆心地公園で撮影。県外に暮らす平和大使らは、広島市の原爆ドームや熊本市の熊本城など、各地の平和関連施設や観光地をバックに歌い、集めた映像をフレーズごとにつないだ。

昨年12月、「青い空は」を歌う様子を撮影した本県の高校生平和大使と、高校生1万人署名活動実行委員会メンバー=長崎市松山町、爆心地公園

 企画から撮影、編集までを約1カ月で仕上げ、今月20日の記者会見で完成を報告した。本県での撮影や編集を担った第23代大使で鎮西学院高3年の大澤新之介さん(18)は「コロナで直接つながれない中でも、全国のメンバーが同じ気持ちを持って動画に参加してくれた」と感謝。第24代大使で県立島原高2年の羽山嵩裕さん(17)は動画について「ハードルが高いと思われがちな核廃絶運動に関わる一歩になれば」、長崎日大高2年の川端悠さん(17)は「SNSを通じて若い人に動画を発信し、平和について学ぶ機会を日常の中につくりたい」とそれぞれ語った。


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