長崎医療圏「崩壊の危機間近」 基幹4病院長が声明

 新型コロナウイルス感染症の急拡大を受け、長崎大学病院など4院の院長は19日、長崎医療圏(長崎市、西海市、西彼長与町、時津町)で医療崩壊の危機が迫っているとの声明を出し、市民に感染対策の徹底を呼び掛けた。
 声明の発表は第3波(2020年12月~21年2月)、第4波(同4~5月)に続いて3度目。ほかの3院は長崎みなとメディカルセンター、日赤長崎原爆病院、済生会長崎病院。いずれもコロナ診療の基幹病院として多くの患者を受け入れている。
 声明は「長崎医療圏の非常事態について」と題し、新変異株「オミクロン株」による流行第6波で感染者数が「これまでにないスピードで急増しており、直近1週間で千人を超える勢い」と現状を説明。中等症の患者が増加中で「このまま感染者が増え続ければ一定数重症化する患者も発生し、その中には死亡する患者も出てくると思われる」と危惧した。
 4院はコロナ病床を確保するため多くの一般病床を縮小。「治療を待機できる場合は入院の延期をお願いする事態も起きている」とし、「医療崩壊の危機が間近に迫った危険な状況にある」と警鐘を鳴らした。
 市民に対しては3密(密閉、密集、密接)の回避や換気、不織布マスクの適切な着用、入念な手洗い、手指消毒などの徹底を要請。重症化や発症のリスクを低減するため、速やかな3回目のワクチン接種も促している。


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