長崎県知事選 大石氏後援会 自民分裂に苦言 県議15人「しっかり支える」 金子農相も支援

自民党や後援会の関係者を前に決意表明をする大石氏=長崎市元船町、平安閣サンプリエール(写真右)、長崎経済同友会の例会であいさつをする中村氏=長崎市南山手町、ANAクラウンプラザホテル長崎グラバーヒル

 来月の知事選に向け自民党県連の選挙対策本部と、同県連が推薦する医師で新人の大石賢吾氏(39)の後援会の合同会議が14日、長崎市内で開かれた。自民県議は対立する二つの勢力のうち一方の議員しか姿を見せず、後援会側が苦言を呈する場面もあった。
 「戦いは既に始まっているが苦戦している。その理由はただひとつ。自民議員で堂々と相手方(現職)を支援している人がいる。党全体で推してもらうことが大事だ」。会議冒頭、大石氏の後援会長で県医師連盟委員長の森崎正幸氏は語気を強めてこう言った。
 続いて発言に立った県連幹事長の山本啓介県議は党が一枚岩になれていない現状を認めつつ、「『世代交代』という明確な意思表示を県下全域に示さなければならない。自民県議(30人のうち)15人がしっかり大石氏を支えたい」と応じるしかなかった。
 自民県議は先月、県議会で分裂していた二つの会派「自民・県民会議」と「自民」を解散し、大半が新会派に合流。だが旧「自民・県民会議」の14人は今月10日の現職中村法道氏(71)=3期目=の会合に出席。一方、旧「自民」の16人のうち15人は大石氏を支持し、保守分裂が鮮明になっている。残る1人は「中立」の姿勢だ。
 本県選出の同党国会議員も対応が割れている。衆院議員は北村誠吾氏(74)=長崎4区=と加藤竜祥氏(41)=同2区=が中村氏を、谷川弥一氏(80)=同3区=が大石氏を、それぞれ支援。今夏に改選を迎える参院議員の金子原二郎農相(77)は、中村氏の選対本部長に県農政連盟委員長の辻田勇次氏が就いたため、その動向が注目されていたが、14日に本紙の取材に応じた。金子氏は「中村氏は辞めようとして、私も相談を受けて後継探しに協力した。今の県政はマンネリ化しており、県のために頑張りたいという大石氏の若さと意気込みを買いたい。県連の推薦をいろいろ言う人がいるが、機関決定したことは間違いない。党人として行動する」と述べた。
 一方、中村氏はこの日、長崎経済同友会の新年祝賀合同例会に出席。あいさつで今秋開業する西九州新幹線に触れ「地域活性化や産業振興にも大きなチャンス。心を込めたおもてなしで(観光客らを)迎える体制をつくりたい」と述べた。
 知事選にはこのほか会社社長の宮沢由彦氏(54)ら新人3人も立候補を予定している。


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