社会課題を解決 女子高専生中心のアイデアコン 佐世保高専2チーム本選へ

写真左から、電気の力で磯焼けから海を守ることをテーマに研究を進める松尾さん(左)ら、ファインバブルを作る装置の開発を進める森田さん(左から2番目)ら=佐世保高専

 長崎県の佐世保工業高等専門学校(佐世保高専)の女子学生を中心とした2チームが、SDGs(持続可能な開発目標)の観点から社会課題を解決するアイデアを競うコンテスト「高専GCON2021」の本選に進んだ。22日の成果発表会に向けて研究を進めている。
 コンテストは、国立高等専門学校機構が女子高専生の実力を世の中に発信する目的で開催。全国から42組がエントリーし、書類審査で本選に進む12組が選ばれた。このうち同校からは電気の力で磯焼けから海を守るチームと、泡の力で感染症を治すチームが本選に出場する。
 電気電子工学科4年の松尾日菜珠さん(18)ら4人は、電気の力を使って、磯焼けの原因となるウニを藻場に近づけないよう行動を制限するアイデアを提案する。松尾さんによると、水槽の中でウニに電圧をかけると忌避行動を示すことが分かったという。
 今後、電気が海に与える影響や、ウニの行動を効率よく制限できる電圧値を検討する方針。
 一方、機械工学科3年の森田羽南さん(17)ら4人は、発展途上国などで問題となっている、人や動物の足にノミが寄生する感染症「スナノミ症」の解決に向けて取り組む。直径が0.1ミリより小さな泡で殺菌作用がある「ファインバブル」を用いて、予防や治療に役立てる技術を開発していく。
 現時点では、電気を使わずにファインバブルを生み出す装置を作ることを考えている。この問題に取り組む国際協力機構(JICA)や長崎大からの協力も得て研究を進める予定。
 松尾さんは「コンテストでは最優秀賞を取りたい。特許を取れるように研究したい」、森田さんは「コンテストで終わりではなく、いろんなところで役に立てるよう研究を続けたい」とそれぞれ意気込みを語った。


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