「仲間いること知って」 精神疾患 親ら語り支え合う場 「のぐさ家族会」

学習会で、参加者の発言に耳を傾ける岩永さん=長崎市柳谷町

 統合失調症など精神疾患のある人の家族でつくる長崎市の「のぐさ家族会」は、精神疾患の特徴について学んだり共通の悩みを語り合ったりして、家族を支える取り組みを続けている。設立から26年。会長の岩永ツユ子さん(70)は「1人ではなく仲間がいることを知り、少しでも元気になってもらうことが願い」と話している。
 「積極的な発言を歓迎しますが、話したくないことを無理に話す必要はありません」。4日午後。市内の事務所では、のぐさ家族会が主催する月1回の学習会が開かれていた。冒頭、毎回「ルール」が読み上げられる。この日は5回続きの2回目で、会員と応募の参加者計10人が参加した。
 テキスト学習の合間には、参加者が娘や息子の日ごろの過ごし方、親としての接し方などについて報告し、悩みを語り合った。会員の千原リエ子さん(74)は、当時高校2年だった息子が統合失調症を発症した際、行動を24時間「監視」するように対応した経験を明かした。「自分が疲れて長続きせず、本人も負担になっていたようだった。距離感は大切で、親の対処方法も学ぶ必要があると感じた」と振り返った。
 会は1995年に設立し、7家族8人からスタートした。現在会員は40人。7年目を迎えた学習会に加え、会員同士が近況を報告し合う「家族会」も月1回開いている。
 会の設立当初から携わる岩永さんは「精神疾患の人を介護する家族への支援は大事。家族も疲弊してしまう。家族同士のつながりを持ち続けたい」と語った。
 相談や問い合わせは、のぐさ家族会(電095.848.7641)まで。

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