「安全運転 心に刻んで」 バイク事故防止へ動画配信 佐世保のレーサー 田中公司さん

安全運転の技術を伝えるチャンネル「バイクラ」の映像(ユーチューブの画面)

 全日本ロードレース選手権シリーズに出場経験のある長崎県佐世保市吉岡町のバイクレーサーで二輪車安全運転特別指導員の田中公司さん(49)が、ライダーの事故防止につなげようと、安全運転の技術を伝える動画投稿サイト「ユーチューブ」チャンネル「バイクラ」を開設した。
 田中さんは、物心ついた時から、二輪車安全運転特別指導員の父親の背中を追い、指導員を目指した。1994年の二輪車安全運転全国大会一般Aクラスで優勝。その後、特別指導員の試験に合格した。
 バイクに関わる中で、ロードレースに興味が湧き、2008、09年に九州ロードレース選手権に出場し、国際ライセンスを取得。10年には同選手権シリーズチャンピオンになった。全日本ロードレース選手権シリーズにも参戦。経験と実力を買われ、兵庫県姫路市のチームの一員として、13、14年には世界耐久選手権シリーズ(鈴鹿8耐)に出場した。
 動画での事故防止啓発を考えるようになったのは、近年、県内でバイクの危険な運転を見掛けたり、知り合いのレーサーが事故で亡くなったりしたことがきっかけ。「1件でも事故を減らしたい」。そう強く思った田中さんは、教え子で、市内の自動車学校「ヒューマンスクール早岐」の教習指導員の中村元さん(30)と一緒に、「バイクラ」を5月に開設した。
 現在10本の動画を更新。免許取得を考えている10代でも理解しやすいよう、バイクの日常点検の大切さやUターンのこつなどを実演とともに分かりやすく発信している。田中さんは「クスッと笑えるような『ゆるさ』も取り入れることを心掛けている。動画を楽しみながら、安全運転を心に刻んでほしい」と話した。

チャンネルを開設した田中さん(右)と中村さん(田中さん提供)

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