田平港に製氷工場 完成 魚市水揚げ増に期待 冷蔵倉庫大手ヨコレイ

ヨコレイが初めて設置し、稼働を開始した製氷工場「平戸アイスファクトリー」=平戸市田平町

 冷蔵倉庫業大手、横浜冷凍(横浜市、ヨコレイ)が建設を進めていた製氷工場「平戸アイスファクトリー」が長崎県平戸市田平町の田平港の平戸魚市そばに完成。5日、現地で竣工(しゅんこう)式があり、稼働を始めた。
 ヨコレイが製氷工場を設置するのは初めて。工場は鉄筋コンクリート造り2階建て、延べ床面積約810平方メートル。工場棟には、ノンフロン全自動製氷機2基を設置。製氷工場は24時間稼働で、国内最大級の1日40トンを製造し、最大300トンを貯蔵できる。
 製氷機は、底部から氷を搬出する方式で、根氷(底に残る氷)が発生しない最新技術を導入。遠隔監視システムで無人稼働が可能となった。年間1万~1万2千トンの販売を見込む。
 平戸魚市は、施設の老朽化のため2018年に製氷機を廃止。漁業者は西日本魚市(松浦市)などで氷を購入しなければならず非効率となっていた。平戸などの漁業関係者から要望を受け、ヨコレイは田平進出を決めた。
 式には黒田成彦平戸市長や金子原二郎参院議員ら約45人が出席。ヨコレイの吉川俊雄会長が「業界の課題解決のため、省人化を目指した。活性化につなげたい」とあいさつ。平戸魚市の坂田宗昭社長は「平戸魚市の水揚げ増につながる」と期待を込めた。

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