大村の農産物が雑貨に変身 8月発売へ 障害者就労施設「SAKURA+」

大村産の果物や野菜を乾燥させ加工した商品(下)

 長崎県大村市本町の障害者就労支援施設「SAKURA+」が、大村産の果物や野菜を乾燥させて加工し、キーホルダーなどを取り付けた商品を開発した。新型コロナウイルス禍で障害者が作った製品販売会の中止が相次ぐ中、工賃の確保につなげようと、8月の発売を目指し準備を進めている。
 SAKURA+では、利用者20人が雑貨やアクセサリーなどを製作。イベントなどで販売し、売り上げを工賃として利用者に還元している。ただ、コロナ禍によるイベントの中止で売り上げが減少。少しでも販売の機会を増やそうと、3月に通販サイトを開設した。
 費用は、障害者施設の製品や農作物の販売会「農福連携マルシェ」開催に関する県からの委託料を他施設と合同で活用。このため、農業と福祉が連携する農福連携の商品ができないかと開発に乗り出した。
 大村産のミカンやイチゴ、ゴーヤー、スナップエンドウ、ラッカセイの5種類の作物で試作。市内の別の障害者施設で乾燥させ、レジンなどで固めた物でリアルな質感を楽しめる。キーホルダーやしおりの他、コロナ禍を受け、手で触らずにボタンを押したりドアノブを操作したりできる器具なども用意した。
 現在、ミライon図書館や市の職員に身に着けてもらい、耐久試験に取り組んでいる。同施設を運営する社会福祉法人蓬莱会の蓮本高啓理事は、「すでに『欲しい』との声も寄せられており手応えを感じている。別の作物も利用できないか検討しており、全国の農福連携の取り組みのモデル事業になれば」と話した。

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