使命感ある看護師に誇り 長崎県看護協会長・西村さん「厳しい状況、全力で支援」

「使命感を持ち、働く看護師たちの姿を誇らしく思う」と語る西村会長=諫早市永昌町、県看護協会(撮影のためマスクを外しています)

 新型コロナウイルスと向き合う看護師たちから県看護協会に届いた切実な声。西村伊知恵会長(67)は「不安や恐怖を抱えながらも、使命感を持ち、働く姿が誇らしい」とねぎらい、疲弊した会員を組織で支えていくと誓う。

 見えないウイルスとの闘いを続けながら、誰もが感染するかもしれず、感染すれば所属する病院や家族にも迷惑を掛けてしまう。看護師たちはそんな不安や恐怖を常に抱えている。差別や誹謗(ひぼう)中傷もあり、社会全体がとげとげしくなっている気がする。
 私は22歳から看護師として働き、目の前の患者に向き合うことを大事にしてきた。今は、この半世紀で最も厳しい状況。協会として一番に何をすべきか、悩む日々が続いている。
 病院のコロナ専用病床を空けるため、後方支援病院などでは発症から10日すぎた患者の転院を受け入れ始めた。看護職の緊張感も仕事量も増しているが、必要な対応だと考え、みんな行動している。勤務先のルールに従い、県外への移動や会食などを自粛。それぞれの年代に応じたプライベートの楽しみ方があるのに、今はそれができない。気の毒にさえ思うことがある。
 コロナ禍が1年以上続く中、会員数は横ばい。多くの人が踏ん張っている。医者からは「看護師は本当に良く頑張っている」、患者からも「感謝している」との声をいただいている。使命感を持ち、勇気を振り絞って働く姿を誇らしく思う。
 しかし、中には「限界」と感じる人がいるかもしれない。笑顔がなく元気がない若手がいる。激励する中堅やベテランもまた疲弊している。放っておけない。会員とのコミュニケーションを取りながら、全力で支援していかねばならない。
 願いはコロナ収束。そのためにも、まず高齢者への集団接種を何としても成功させたい。

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