長崎大レクナ 広島平和センターと連携 デジタル教材を講座に提供

核兵器廃絶に向け、広島平和文化センターと交わした覚書を掲げるレクナの吉田センター長

 長崎大核兵器廃絶研究センター(RECNA=レクナ)は13日、核兵器廃絶に向け軍縮教育に力を入れようと、広島平和文化センター(広島市)と連携協力に関する覚書を締結した。レクナが開発する被爆証言などを組み合わせたデジタル教材を、同センターが事務局を務める国内外の大学に設けられた戦争や平和に関する「広島・長崎講座」に提供する。情報発信を充実させ、被爆の実相を国内外の若い世代に広める狙い。
 「広島・長崎講座」は、被爆地の広島・長崎両市が戦争や平和に関する大学の講義などを認定する。現在、認定講座は国内51、海外24の大学にある。
 デジタル教材は、国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館(長崎市平野町)が収集・保存する被爆資料などを活用。被爆直後の長崎の町並みの画像などを立体的に再現する。本年度中に試作を開発、長崎大の授業で実践し研究を続ける。来年度以降、講座認定を受けた希望する大学に提供する方針。
 このほか、レクナが持つ核弾頭数などの知見を、同センターが事務局を務める「平和首長会議」のホームページに掲載することも想定している。
 覚書はオンラインで交わし、記者会見したレクナの吉田文彦センター長は「二つの被爆地が協力することで、核廃絶への発信力が高まると期待している」と話した。

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