石器や土器400点 高さ6m地層断面 佐世保「福井洞窟ミュージアム」28日開館 

地層の断面や土器、石器などが年代順に展示されている=佐世保市、福井洞窟ミュージアム

 28日にオープンする長崎県佐世保市吉井町の「福井洞窟ミュージアム」で、報道陣向けの内覧会が21日開かれた。国指定史跡「福井洞窟」で出土した石器や土器など約400点を展示。旧石器時代から縄文時代にかけての人類の暮らしを学ぶことができる。
 福井洞窟は間口16.4メートル、奥行き5.5メートル、高さ4メートル。1960年代に3回にわたって実施された発掘調査で日本最古級の土器など数々の歴史的な発見があり、78年に国史跡指定を受けた。
 ミュージアムは福井洞窟から約4キロ離れた市吉井支所、吉井地区コミュニティセンターに併設。洞窟の発掘現場をほぼ原寸大で再現したジオラマには、洞窟からはぎ取った高さ6メートルの地層の断面が展示されている。国指定重要文化財の石器、土器なども年代順に紹介。土器片を透明なアクリル樹脂に貼り付けて土器全体がイメージできるようにした展示や、洞窟の成り立ちや石器の作り方について映像で学ぶことができるコーナーもある。
 市教委文化財課は「ミュージアムを見学してから現地を見に行くことで、洞窟の価値を実感できると思う。文化の移り変わりだけでなく、環境や生態系の変化に合わせて人類がどう進化したのかについても学んでほしい」としている。
 入館無料。開館時間は午前9時~午後5時。毎週月曜と年末年始は休館。

土器片を透明なアクリル樹脂に貼り付けた展示もある=佐世保市、福井洞窟ミュージアム

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