「新たな政策 果敢に挑戦」 西海市長選で再選 杉澤泰彦さん(68)

杉澤泰彦さん

 〈任期満了に伴う18日投開票の西海市長選で再選を果たした。今後の抱負などを聞いた〉

 -選挙戦を通じ感じたことは。
 コロナ禍で市民と顔を合わせる機会が減り、不安はあった。だが、選挙カーで市内を回ると、実現した乗り合いワゴンを利用している市民を見かけたり、子育てなどについて意見をいただいたりした。1期目の七つの政策課題が評価されたと考えている。

 -2期目の重点政策は。
 1期目の政策を深化させるとともに「脱炭素社会のモデル地区づくり」など、新たなことに果敢に取り組みたい。昨年度の市民アンケートで関心が高かった医療も課題。昨年度始めた診療所の開業、継承への補助は見込みも含めすでに3件。市内医療機関と市外の中核病院を情報通信技術(ICT)で結ぶ遠隔診療の環境整備も支援する。

 -新型コロナウイルスの感染収束が見通せない。
 27日からのワクチン集団接種に向け態勢は整っているが、国からのワクチン供給が見通せないのが悩ましい。まずは85歳以上から接種を始める。経済対策の「主役」は市民の購買力。特典付き商品券は有効な手段。地場産品の送料補助「西海ふるさと便」は継続し、消費を市内で回していく。

 -人口減対策は。
 転出が転入を上回る「社会減」を食い止めたい。1期目で始めた高校生への市内企業紹介で若者の地元定着も進んでいる。高速通信網の整備で「テレワーク」も可能になった。起業を志す若者を支援する環境も整えたい。企業誘致との両輪で進める。

 -子育て支援、2期目は。
 乳児の付き添いのため市外に宿泊する母親への補助など、出産から高校卒業まで切れ目なく取り組んできた。子育て支援と学力向上をセットに「住みたいまち」を実現したい。子育て世代の意見も聞きたい。

 -改めて2期目の抱負を。
 市民との距離感が近い行政が基本姿勢。1期目でお約束した「市民目線」を、ずらさずにやっていきたい。

 【略歴】すぎざわ・やすひこ 早稲田大卒。ジャズ喫茶マスターや旅館経営などを経て、1999年から旧崎戸町議、2017年から西海市長。趣味は音楽鑑賞と読書。最近、まとまった読書の時間が取れないが、「学生時代に読んだ本を読み直し、当時を思い出したい」

© 株式会社長崎新聞社