茅ぶき屋根修繕進む 島原・武家屋敷「鳥田邸」

武家屋敷「鳥田邸」で進められている茅ぶき屋根のふき替え作業=島原市下の丁(市提供)

 城下町の風情を今に伝える長崎県島原市の観光名所、武家屋敷の一つ「鳥田邸」(下の丁)で、茅(かや)ぶき屋根の修繕作業が昨年に引き続き進められている。作業は30日に終了予定で、その後、一般公開が再開される。
 武家屋敷は1618年に着手した島原城築城の際、下級武士たちの住居として整備された。市は個人所有の「山本邸」や市所有の「篠塚邸」「鳥田邸」の計3軒を保存し、市民や観光客に公開している。
 鳥田邸は2013年度から市が所有。市は昨年、全面的な屋根のふき替えに初めて着手し、北側と西側の計約45平方メートルを修繕した。今年は約11トンのヨシを使い、残る南側(約27平方メートル)と東側(約18平方メートル)の茅を新しくする。事業費は20、21年度でそれぞれ約290万円。
 職人5人がふき替えた茅をこてで固めたり、刈りそろえたりする作業を進めている。市担当者は「新しい屋根を見に来てほしい」と話した。

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