見守り犬「ライブ」安全運転“呼び掛け” 諫早・唐比 森山東小の通学路

子どもたちと横断歩道を渡るライブと鍬田さん(左)=諫早市

 交通ルール守ってね-。長崎県諫早市森山町唐比で、ドライバーらに安全運転を呼び掛ける服を着た1匹の犬が、新1年生ら児童の登校を見守っている。トイプードルのライブ(雄、5歳)。飼い主の鍬田由美子さん(66)と毎朝、交通量の多い交差点に立ち、啓発に一役買っている。
 地域への恩返しにと、近所の女性と自宅近くの交差点で毎朝の見守り活動を始めた鍬田さんは、「信号無視やスピードを出す車が多い」ことに驚いた。国道などが走るその交差点は、市立森山東小(黒田剛校長)の児童の通学路。犬を連れていたらドライバーにも注目してもらえるのではと考え、昨春からはライブも参加するようになった。
 ライブは、「交通ルール守ってね!」「あおり運転やめましょう!」の文字を縫い付けたタオルを服の上に着用。平日午前7時から約30分間、黄色い旗を持った鍬田さんらと交差点に立ち、集団登校してくる児童(3グループの計約25人)を迎える。横断歩道を一緒に渡り、交通量が少なくなる場所まで歩いて見送るのが日課で、子どもたちにも人気だ。同校の今田和文教頭は「校区内でも交通量が多い交差点。地域のたくさんの目で子どもたちを見守ることにつながり、ありがたい」と話す。
 「ドライバーもニッコリ笑ってくれたり、声を掛けてくれたりと反応は上々」と言う鍬田さんには、思わぬうれしいこともあった。それは、子どもたちが元気にあいさつしてくれるようになったこと。「顔なじみになり、下校時や休日の日にバッタリ会って会話することも。子どもたちから私もライブも元気をもらっている。ライブを見て、1件でも事故が減ったらうれしい」。
 「黄色信号止まってね」-。鍬田さんはこんな言葉をあしらったライブの新たな服を作製中だ。

© 株式会社長崎新聞社