「遣唐使船」で海上聖火リレー 5月7日最終区間の長崎市

遣唐使船を活用した聖火リレーについて説明する中村知事(左)と角川理事長=県庁

 長崎県で5月7、8日に予定されている東京五輪の聖火リレーに関し、県は14日、初日最終区間の長崎市において「遣唐使船」を活用した海上聖火リレーを実施すると発表した。
 使用する遣唐使船は、公益財団法人「角川文化振興財団」(角川歴彦理事長)が2010年に開催された上海万博に合わせて復元した。全長30メートル、幅9.3メートル。角川理事長から中村法道知事に活用の提案があった。
 海上聖火リレーは、県庁南側の岸壁から聖火到着を祝うイベント「セレブレーション」が開かれる長崎水辺の森公園まで航行する。乗船する聖火ランナーには有名俳優を起用する予定で、同区間は無観客で行う。
 県庁で会見した中村知事は、国際交流には世界の平和が不可欠だと強調。かつて日本と世界をつないだ遣唐使船を活用し、本県の聖火リレーを幅広く発信することで「平和への思いを共有してほしい」と述べた。角川理事長は「遣唐使船が五輪のシンボルとなり、県民の皆さんにも歓迎していただきたい」と語った。
 遣唐使船は29日~5月7日、県庁南側岸壁に係留展示される。同期間は県庁1階のエントランスロビーで遣唐使の歴史を説明するパネル展も開く。
 県内の聖火リレーは、7日に南島原、島原、雲仙、壱岐、新上五島、諫早、大村、長崎、8日に西彼長与、西彼時津、西海、五島、対馬、松浦、平戸、佐々、佐世保の計17市町を走るルート。本県にゆかりのある著名人や一般公募のランナーら総勢約180人が参加する見通し。


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