合言葉は「グッドモーギング!」 朝活で地域交流 長崎・茂木町

グッドモーギング「朝ヨガ」のイメージ写真(「ここから長崎」提供)

 地域の交流人口増加と活性化を目指す長崎市茂木町の会社「ここから長崎」(大島徹也社長)が、若い世代や住民と連携しながら、滞在客らに茂木らしい朝の活動を楽しんでもらう取り組みを始めている。朝日が海から昇ってくる港町で、ゆっくりとした朝の時間帯を過ごすグッドなモーニング、その名も「グッドモーギング」-。

■遠い場所?
 明治時代に外国人向けの洋風ホテルが建てられるなど、かつては避暑地として多くの観光客が訪れていた茂木。時代の流れとともに衰退し、人口減少や高齢化も進んでいる。そんな中、大島社長(36)は現在、料亭跡を活用した宿泊施設2カ所を運営。いずれもコンセプトは「地域まるごとホテル」だ。
 「市街地から15分程度と近く、アットホームな雰囲気のある場所」。大島社長は茂木エリアをこう表現する。昔ながらの漁師町の風景、海を眺めながら海の幸を味わえる料亭、日本一のビワの産地。観光資源も申し分ない。
 ただ、なぜか「遠い場所というイメージが強い」(大島社長)。まずは地域を知ってもらうことが大事だと考え、茂木に行く目的づくりとして、市内でまちづくり活動をしている若い世代らと一緒に着手したのが、グッドモーギングだ。

■多様な提案
 「茂木の朝×○○」をテーマに、さまざまな体験メニューを提案。「○○」に入るのは、ランニングや釣りといった定番に加え、読書やコーヒー、ヨガにサウナまで多種多様。新型コロナウイルス禍で注目がされる「ワーケーション」も意識し、海沿いでの「朝ワーク」も勧めている。
 「地域まるごとホテル」実現のため、それぞれが体験できる場所や朝食メニューを提供する店舗などを記したマップも作った。グッドモーギングのホームページでは、読書やコーヒーなどの“プロ”の体験談も発信。市民や市街地のホテルの宿泊客に向けてもPRしていく考えだ。

■地域の希望
 地域住民に協力してもらうための仕掛けも。3月21日午前、現地でリヤカーを模様替えするワークショップが開かれ、住民ら約30人が参加した。リヤカーは今後開催を目指す朝の交流イベントで、屋台として使用する予定で、住民と一緒に準備を手掛けながら、グッドモーギングに理解を深めてもらう狙い。1級建築士事務所モーア(同市矢上町)代表の一丸康貴さん(34)らが協力。水揚げされた魚などを運んでいたリヤカーが、テーブルや屋根の付いたおしゃれな姿に生まれ変わった。
 茂木校区連絡自治会副会長の池山耕治さん(66)は「茂木の魅力を語り合う中で挙がったのが『朝の町』だった。若い人たちの力は地域の希望。一過性ではなく、いろんな活動を一緒に続けていきたい」と話す。

リヤカーのワークショップの参加者。合言葉は「グッドモーギング」=長崎市茂木町

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