実習先の魅力向上へ 技能実習生、学びの場充実 長崎県が新規事業

来日後に監理団体で日本語を学ぶ実習生たち=2019年、長崎市内

 技能実習生ら外国人労働者が増加傾向にある中、地域との共生に向け、日本語教育は課題の一つだ。外国人材の安定的な確保を図るため、長崎県は本年度、技能実習生の監理団体などが取り組む日本語教育の支援を新たに始める。学びの場を充実させることで実習生のキャリアを後押しするとともに、実習先としての魅力向上にもつなげたい考え。
 長崎労働局によると、県内の外国人労働者(2020年10月末時点)は6178人で公表を始めた08年度以降最多。このうち、半数近くを技能実習生が占めている。
 実習生は来日前、自国の送り出し機関で半年ほど日本語を学び、入国後は1~2カ月間、監理団体で講習を受ける。その後の学習は多くが派遣先の「企業任せ」となっており、県は「日本語を十分に学べる環境ではない」とみている。
 県はその状況を改善するため、監理団体が日本語講師を招き、実習生向けに開く勉強会などに対し、上限50万円、補助率2分の1以内で補助する。実習生に日本語を指導する側の研修も対象で、近く応募受け付けを開始する予定。本年度当初予算に1千万円を計上した。
 県雇用労働政策課は「日本語教育の環境を整えることで実習先として評価が高まるだけでなく、実習生の帰国後のキャリアにも役立ち、長崎県に関わるビジネスに携わる可能性も。そんなプラスの循環を期待したい」としている。

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