陶芸家・長瀬さん協力 卒園に思い出を 手作りれんがでプランター制作 東彼波佐見・光輪はさみこども園 

子どもたちが絵を描いたれんがを使ったプランター=波佐見町井石郷、光輪はさみこども園

 長崎県東彼波佐見町井石郷の光輪はさみこども園(武宮真紹園長、185人)幼児部の年長園児31人が、手作りのれんがを使ったプランターを卒園制作した。新型コロナウイルス感染拡大で多くの行事が縮小した中、保護者の1人で陶芸家の長瀬渉さん(43)=中尾郷=が「何か特別な思い出を」と一肌脱いだ。
 計260個のれんがを用いて、高さ45センチほどのプランターを二つ制作。れんがは全て手作りで、園児が一人一個ずつ表面に好きなイラストを描いた。
 長瀬さんの長女の海ちゃん(6)が通う同園では、新型コロナ禍の影響で多くの恒例行事が縮小。保護者同士の交流の機会が少なく、長瀬さんは「これから長い付き合いになるのに出だしでつまずいてしまった」と残念に思っていた。
 自身の技術や工房を生かし、保護者も参加できる卒園制作を思い付いた。2月から保護者や同園職員が時間帯を分けて長瀬さんの工房を訪れ、粘土を立方体の型に押し込む作業に取り組んだ。園児たちが表面に絵を描いた後、長瀬さんがオリジナルの上薬を使って焼成。完成したれんがをプランターとして組み立てた。
 プランターは卒園式前に園児たちに披露された。武宮園長は「卒園制作で本格的な焼き物は久しぶり。園児たちにもいい思い出になった」、長瀬さんは「子どもたちの絵はどれも独創的でかっこいい。コロナ禍でも特別な年として思い出してほしい」と目を細めた。

れんがの原型作りに取り組む保護者や子どもたち=波佐見町中尾郷、ながせ陶房

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