長崎県の北松佐々町の佐々川で、春の風物詩「シロウオ漁」が最盛期を迎えている。住民らは、シロウオを生きたまま酢じょうゆで食べる「躍り食い」やかき揚げ、吸い物などにして旬の味覚を堪能している。
シロウオはハゼ科で体長5センチ。この時期になると、産卵のため川を遡上(そじょう)。漁では、群れの動きを見ながら川底に沈めた四角い網を引き上げて捕まえる。
同町によると、佐々川では大正時代中期に漁が行われるようになった。炭鉱が盛んな時代には「ぜんざい川」と呼ばれるほど川が黒く濁り、中断。閉山後の1970年代に復活した。
15年ほど漁を楽しむ町内の福田清さん(76)は「今日はまあまあ取れた。春を感じるね」と笑顔。町によると、漁は今月中旬ごろまで続くという。
佐世保市江迎町の末(すえ)橘(たちばな)川でも漁は盛ん。同町の黒木徳一さん(67)は、電動式の網(4平方メートル)を使って楽しむ。黒木さんを手伝う同町の末永龍馬さん(70)によると、1日に1.8リットルの升2杯分程度が取れるという。「親と一緒に漁をやっていた時が懐かしい。今年はここ数年よりも多く取れる」と話し、手際良くシロウオをすくっていた。
春の風物詩「シロウオ漁」 佐々川と末橘川で最盛期
- Published
- 2021/03/05 23:41 (JST)
- Updated
- 2021/03/06 16:06 (JST)
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