73年の歴史に幕 平戸・野子中閉校式 生徒ら前進誓う

校歌を斉唱する中学生(前列)ら=平戸市立野子中

 長崎県平戸市野子町の市立野子中(高以良康弘校長、6人)で27日、閉校記念式典があった。地域に愛された73年の歴史は3月末で幕を閉じ、在校生2人は4月から市立南部中に通学予定。
 野子中は1947年の開校時から校舎内に小学校を併設。中学校は生徒数減少などのため閉校するが、小学校は存続する。
 式には保護者、同校の教諭、地域住民代表ら約45人が出席。高以良校長は「地域に育まれた野子中の閉校は残念。南部中でも野子魂を発揮して学習してくれることを願っている。地域、卒業生、PTAなどのこれまでの支援に感謝したい」と式辞。黒田成彦市長が「学習環境整備を進める」、小川茂敏市教育長は「心のよりどころである中学校の閉校に理解いただき、保護者、地域に感謝したい」などとあいさつした。
 生徒代表の柴山れゆさん(15)は「少人数の大変さはあったが、一人一人が責任感を持ち、みんなで助け合い、達成感を味わえた。不自由なく安心して学ぶことができた。培った経験、知識を生かし、力強く前に進んでいく」と感謝の言葉を述べた。
 最後に小川教育長が閉校を宣言。高以良校長が校旗を返納した。
 学校評議員として式典に臨んだ山口直人さんは「閉校は寂しい。野子の生徒たちは環境が変わっても頑張ってほしい」とエールを送った。

 


© 株式会社長崎新聞社